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小さくても贅沢な空間。
30 坪未満の土地に住まいを設計する際に、もっとも大切にしていることこそが「小さくても贅沢な空間」。
日本では、家を⼟土地に建てる時の条件として、建ぺい率などで必ず空地が必要になります。
単純にセットバック(道路側の敷地に空間をつくること)させることでその規制をクリアすることはできますが、それでは感動は生まれません。
実は、この建ぺい率の規制を逆説的に設計に活かすと空間が生まれるのです。
その空間は、中庭になり、坪庭になり、光と風の通り道になるのです。
特に都⼼心部の狭⼩小地では、敷地に対していっぱいに住まいのボリュームを確保し、壁で囲われた内部に緩衝帯のように空間を活かし中庭をもうけると、外観からは想像できないようなゆとりがうまれ、贅沢な空間に仕上がるのです。
変えることのできない環境、限られた広さの中に、光、風、雨などの自然を取り込むことは設計の究極の課題ですが、その制約こそが素晴らしいヒントになることをわたしたちは知っています。