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☆ 僕のお気に入り、
『人間のための街路』B・ルドフスキー
街路は単なる道路ではなく、
まして自動車のための道路ではない。
街路は歩行する人間のためにある。
この著者の本を見ては感動し、
街路や広場の魅力を発見しては、
いても立ってもいられなくなった一冊。
そして、
地中海地域の都市や街、
数多くの小さな集落を、
バックパッカーで半年間。
ベネチアの車のない街路空間、
小さな中庭のような広場の連続。
総延長が何と38Kmもある、
イタリアのボローニャのポルティコ。
モロッコのフェズの迷路の街路、
南イタリアのまっ白の街路空間など。
見て歩き回ったその時の数々の記憶が、
僕の「家づくりのイメージ」の源泉。
そのころ写真はデジカメはなく、
数少ない白黒フィルムにこだわり、
フィルム探しに街をさまようことも。
「人間のための街路」のテーマは、
この時に撮影した白黒写真です。
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☆ 人間のための街路
坂の街「PERUGIA」。
イタリアの中部、
山岳都市。
緩やかではない、
やや急な階段状の街路空間。
住居群である建物に
何ともいえないような
緊張感を与えています。
おおくの集落は
外部の侵入者を遮断するため、
丘の上に建てた街でこその風景。
この街では、
密集された住居群にたいして
ゆいいつ開放されている
街路空間は中庭的です。
イタリアの街路には緑はなく、
ただ空気感がただような空間は
ひとびとをつつみこんでくれるようです。
建築空間が素晴らしければ、
そこには緑なんて必用なくなるんですね。
☆ 人間のための街路、その2
白い街「OSTUNI」。
南イタリア・プーリア地方、
丘の上の小さな集落。
多くの集落は防衛の為に
わざわざ丘の上に建てられます。
そのために内部は密集していて
中庭を作る余裕はありません。
ゆいいつ開かれているのが、
共同スペースとしての街路空間。
住居の外壁、
街路空間、
教会、
すべてが白いビアンコで塗られ、
住居の前の白い街路空間は
中庭のように明るいです。
この中間領域としての
中庭的な共有の街路スペースは、
ひとびとの憩いの場所。
そこは内と外との境界はなく、
すばらしい街路空間の連続です。
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