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☆コンセプト09|都市計画

都市の中の巨大な中庭
都市の中の巨大な中庭、マンハッタンのセントラルパーク


09. 都市計画|魅力なき水の都、大阪 - 都市に風穴を空ける 

ニューヨークのマンハッタンのセントラルパークは航空写真で見ると、都市の中の巨大な中庭のように見えてきます。この都市計画の考案は都市公園建設の重要性を唱えたジャーナリストが、著名な建築家と共に呼びかけ政治的な力が功を奏して建設が可能となりました。

そのスケールの広さは、南北4km、東西0.8kmと広大 さで目をみはるものがあり、日本ではまずもって出て来そうもない規模ですかつての大阪のベネチアのような『水の都』はどこに行ったのでしょうか時とともに輸送方法が船から車へと、掘りを埋られて道路に変わってしまいました。交差点の名に、四ツ橋、心斎橋と名称だけが残り、唯一残った掘りが道頓堀川だけとは残念なことです。水の都大阪は、難波(なにわ)八百八橋といわれますが、実際に江戸時代には、江戸の350橋に対して、大阪は200橋に満たなかったそうです。


地元の大阪のメインストリートの御堂筋は、戦後の焼け野原からの復興時に、これは滑走路でも作るかと批判されたほどの大きさでした。その下の地下鉄は戦前にすでに出来ていて、防空壕とて計画されていたそうです。ただ当時に御堂筋の地上巨大な公園にする都市計画の発想は無かったのでしょうか。御堂筋の大きさは、南北4.1km、東西 0.043kmの広さで、全てを公園としてもセントラルパークのわずか 5% の面積しかなりません。いかにセントラルパークが大きいことか。緑豊かな巨大なセントラルパークぐらいの大きな都市の中庭が出来れば、少しは大阪の街も魅力度がますと思います。

マンハッタンのセントラル・パークのように、都市計画はマクロな視点から物が見れるのかどうかだと思います。構造が大きいのか小さいかの違い小さな住宅に身を裂くような思いで中庭の外部空間を作るのと、巨大な都市にセントラル・パークという、大きな都市の中庭を作るのも、スケールの違いはありますが、つめ込まれた空間に風穴を空けるという事から言えば同じことの様に思えます。


人間のための街路(B・ルドフスキー著)、このような魅力ある街路。ヨーロッパの都市計画には古い歴史があり、それが錯綜していて魅力的です。歩いていてもとても楽しいのは、街路空間や魅力のある広場の外部空間があるからです。

都市計画がされている大きな都市よりも、ころよい大きさの街の街路空間がいいですね。イタリアのシエナ、ボローニャ、ペルージア、そしてベネチア、さまざまな街路空間や広場の外部空間の連続はとても魅力を感じます。都市にはメリハリは必要です。大きな都市にはそれ相応の特徴のある空間が必要です。人間のための街路、魅力ある街路。こんな街路空間が大阪の街にもほしいですね。

ただ、大阪には地下街が世界一ともいわれるほどの地下空間があります。この地下の街路空間こそが残され『人間のための街路』になるのかもしれません。この御堂筋の公園と地下の街路空間が北と南つながれば魅力ある街に生まれ変わります。どのようにつなげるのかが大きなテーマになってくると思います。


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(2020/2/2)

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