思い出を新しいかたちに変えて歴史は紡がれる
室内は、使いやすいさに重点を置いて設計。台所、洗濯機、トイレ、風呂場を一直線に並べることで生活動線をコンパクトに整理。和室には、お母様が毎日使っていたという6つの鍋を窓枠に加工し、光を取り入れるよう工夫。泉水を眺める窓も光と風の通り道となり、居住性を高める役割を果たしています。寝室の配置にも配慮し、来客時も快適に過ごせる空間になりました。
この住宅のリビングの一番の特徴は、防空壕。戦時中に作られたという防空壕は、光のギャラリースペースへと変貌を遂げました。中庭・坪庭に次いで、床下へと奥行きがひろがるという意外性もそなわったのです。
思い出にあふれた住まいが、今の生活に合う心地よさを得て、家族の歴史がまた紡がれていくことに静かな感動を覚えました。
雨水は竹の樋を伝って桶に流れ、さらに中庭にある泉水へ。
正面の窓は、家から出てきた古いお釜を生かせる設計としました。
左の窓からは中庭の泉水が眺められます.
畳の下は全て床下収納の設計としました.
外気は東西に突き抜けていく。
床にあるのはギャラリースペース.
居間の下の床下収納は引き出し式。
廊下の奥は寝室へと続きます.
住み手の思い出のタンスの引出しを納めました.
‘坪庭’へと風が通り抜けます.
泉水にたまった水は溢れだし、中央の石臼に流れ込む.
いわば天然の水琴窟のようです.
大屋根の切り取られた部分が中庭となります.
大改造!!劇的ビフォーアフター 帰れない家・関連リンク
間取り
建築概要
・長居西の帰れない家所 在 大阪市住吉区
家 族 構 成 夫婦
構 造 木造平屋建
設 計 期 間 2003.05~2003.06
施 工 期 間 2003.06~2003.07
敷 地 面 積 15坪
建 築 面 積 34.50 m2
延 床 面 積 34.50 m2
各階床面積 1階 34.50 m2
地域・地区 第二種中高層住居専用地域
・主な仕上げ
外部仕上げ 屋根/日本瓦 一文字葺き
外壁/土、スサ入りセメント木ゴテ押え
中庭/坪庭/砂利洗い出し 一部石臼埋込み
・内部仕上げ 玄関/床:砂利洗い出し仕上げ リボスオイル
壁:土、スサ入りプラスター木ゴテ押え
台所・寝室/床:吉野杉フローリング リボスオイル
和室/床:縁なし畳
壁:土スサ入りプラスター木ゴテ
壁:土、スサ入りプラスター木ゴテ
天井:杉・化粧野地板