内と外の境界がなくなる瞬間
ホールへと進むと、一転、珪藻土の三和土仕上げの土間が、平らなグリ石を敷き詰めた中庭へとつながる解放感のある空間が広がります。中庭には大きな溶岩を配し、風景に変化をもたらせて視線の動きを設計。
ホールと中庭は大きな木製のガラス扉で仕切り、扉の引き込みもすべて壁内におさめて柱の1本も立てない美しい空間に整えました。木製ガラス扉をすべて開け放った夕暮れに、ほんのわずかな夕暮れどきですが、内と外の明るさが同じになり、室内と室外という境界がなくなり一体化する瞬間が訪れます。その時、時間も空間も忘れてしまいそうな何ともいえない時を感じられます。
既存建物と増築した回廊のような平屋部分を中庭が全体の緩衝材となりスペースを取りまとめ、美しい“余裕”をつくりだしました。ここにはいつもゆっくりとした時が流れていきます。
土間の仕上げは栗石の乱貼り。
床は暖かみのある珪藻土の三和土仕上げ。
ベンチでゆっくりと座りながら平屋のあるスペースを眺めることが出来る。
水盤
平屋の大屋根に降り注いだ雨水がこの水盤に流れ込み、光の照り返しが「ゆらぎ」を演出します。
間取り
建築概要
・穏やかな時がながれる平屋の家
所 在 三重県桑名市
構 造 木造平屋建
設 計 期 間 2007.05~2007.11
施 工 期 間 2007.11~2008.09
敷 地 面 積 200坪
建 築 面 積 81.72m2
延 床 面 積 56.30m2
地域・地区 第1種住居専用地域・法22条地域
外部仕上げ
(中庭)壁1:杉板貼り、木材防護劑塗
壁2 :土、スサ入りプラスター木ゴテ押え
屋根1:折板
屋根2:ガルバリウム鋼板たてはぜ葺き
内部仕上げ
床 :珪藻土三和土
壁 :土、スサ入りプラスター木ゴテ押え
天井1:土、スサ入りプラスター木ゴテ押え
天井2:構造用合板、自然塗料拭き取り