狭小変形型プロジェクト金剛の家｜水谷嘉信建築設計事務所

傾斜地・不整形なヘタ地のプロジェクト｜金剛の家 0104

[CATEGORY] プロジェクト　

傾斜地かつ不整形なヘタ地のプロジェクト

不整形な傾斜地ですが，何か不思議な魅力を持った場所での考察

高低差が約５.６mの傾斜地の不整形な土地の計画です．長らく広告に安価で出ていましたが，売れずにいつまでも残っていた土地です．土地を見るなりこんな場所に家が建つとは想像しがたいヘタ地です．

構造的には，BF,１Fは擁壁を兼ねたRC造で２.３Fは木構造です．敷地の境界の不整形な角度をそのまま建物の外壁の角度に合わせ，建物はアノニマスデザインのように自然と形づくられていき，最終的にはヴァナキュラー（土着的）な建築になっていけばより自然でいいと思います．

この敷地は南海高野線，金剛駅より西に位置する約４０坪の田園風景の中にあリました．土地は上下二つに接道にし，下部の４mの道路は主に車のアプローチで，上部の１.３mの里道が生活道路となります．そこからブリッジを渡ると，小さな中庭（サンクンガーデン）が下に見える玄関へとつながります．

間取り

大海原に出航する船のイメージ．
建物はアノニマスデザインのように自然と形が決まっていき，魅力的なヴァナキュラーな建物になっていきそうですね．

まるで船の舳先のような，鋭角のコンクリート打ち放しのデザインです．

地階はガレージ，１Fは子供室と寝室．２FはテラスとLDKとゲストルーム．３Fはロフトと下の道からの道路斜線によりセットバックすることとなった

２,３Fの各室及びテラスからはまわりが一望出来るロケーションです

テラスよりガラス越しに明るい LDKを見る．
このテラスの後ろにゲストルームが離れ的にあります．

LDKよりテラス越しに離れとしてのゲストルームを見おろす．
しかりとした人工地盤を地階に作れば，上部の木造の部分はいがいと軽やかなデザインで作ることが出来ます．

ロフト階より吹抜けを通して LDKを見る.
この３階のロフトも２階のリビング・ダイニングにしても，不整形な敷地に沿って作られているおかげで直角の部分が少ないですが，明るく見通しのある快適な家づくりが出来そうです．

間取り

建築概要

傾斜地・不整形なヘタ地のプロジェクト｜建築概要

家族構成　夫婦2人、子供3人
構　　　造　地階、1階　　コンクリート壁式構造
2階、3階　　木造SE工法
計画時期　2001
敷地面積　40坪
建築面積　69.07m²
延床面積　198.95m²
各階床面積　地階　69.07m2 1階　69.07m2 2階　48.75m2 3階　12.06m²
地域・地区　第一種中高層住居専用地域　法22条地域
第二種高度地域　埋蔵文化財包蔵地

外部仕上げ　屋根／耐火野地板下地ガルバリウム鋼鈑
テラス／耐火野　地板下地　アスファルト防水
外壁／地階、1階：RC打放し化粧仕上　撥水剤塗布
2階、3階：ラスモルタル下地
ケイソウウティカ木ゴテ押え
土間／砂利洗い出し仕上げ

内部仕上げ　 1階
ガレージ・ピロティ・階段／床：砂利洗い出し仕上
壁・天井：RC打放し撥水剤塗布
2階、3階
LDK・寝室・子供室・ゲストルーム・ロフト／
床：赤松フローリング　オスモカラー
壁・天井：土、スサ入りプラスター木ゴテ仕上